2020年はコロナショックの影響もあり、
久々に最低賃金の引き上げ幅がここ数年と比較して小さくなりました。
最低賃金の件で振り返ると…
2012年度の最低賃金引き上げ実施後に、厚生労働省の発表で「逆転現象」が話題になりました。
「逆転現象」とは、地域別最低賃金で働いた場合の実質的な収入金額が、
生活保護給付水準より低くなる状態のことです。
こんな状態が、11都道府県で生じていたというから驚きですよね。
ちなみに…
この逆転現象の理由は、生活保護費のうち、家賃などの住宅扶助費が増えたことや
社会保険料の引き上げで働く人の手取り収入が減ったことが影響していました。
しかし、こんな状態の日本社会では、ますますニートの数を増やすだけではないでしょうか??
最賃で、不人気業界、過酷な環境でまじめに働くよりも、
家でテレビを見てゲームしていたほうが高所得になる。
そんな世の中なら大変な思いをして働きたくない。
と思う方は若者だけでなく世代を超えて数多くいらっしゃると思います。
恥ずかしながら…
もし、私がその立場なら、ニートを選んで生活保護を受けてしまうかもしれません。
さて、話を本題に戻しますが…
そんなコロナショックでDGPもマイナス28.7%と史上まれにみる不況の情勢の中、
皆さんの会社の採用・育成・昇給・定着率はいかがでしょうか?
今回のテーマは、「社員の採用とその後の育成・定着について」です。
働くよりもニート、生活保護生活者を選ぶような社員を量産するような企業にならない為にも
必要な考え方、社員、同僚、後輩に対する考え方を考えていきましょう。
「千里の馬は常に有れども伯楽は常には有らず」
という言葉をご存知でしょうか?
これは、有能な人材はいつの世にもいるが、その人物を見出して十分に腕を発揮させることの出来る
名君は少ないことを例えた中国のことわざです。
これは、新たな社員を迎える企業、その企業の社員の方々はもちろん、
これから入社する方々にも教訓として使える言葉です。
新入社員を”皆これ名馬(良血・名血)”と考えて接した場合と
駄馬と考えて接した場合では、その成長は大きく異なり成果の差も大きなものになるでしょう。
一方、新入社員の方々や既存の社員も入社した会社の社長をはじめ先輩方を名伯楽と考え、
教えを請う場合とただの同僚と考えて接した場合では、その吸収度、成長も大きく異なるでしょう。
互いに認め合い、必要とされていると感じられる職場で働けることは仕事をする上で、
かけがえのない幸せであり、金銭には代えられないものです。
よく経営者の方々と採用や組織の話をすると中途(特に営業職)はお金で動くから!
というお話を耳にすることがありますが、金銭面以外で自社に惹きつける要素をつくる。
(自社のファンとなる社員をつくる)ことが、そういった社員を生まない最も有効な方法の一つです。
お金で動く社員は、お客様の事もお金で判断します。
本当に良いサービス、信頼を売りとしていくには・・・
根底にある互いに認め合うということをもっと真剣に考える必要があります。
冒頭のお金だけの話なら、生活保護を選択する。
としていた方も…
お金では代えがたい、やりがいや環境があればどうでしょう?
何のために働くのか? どんな風に生きたいのか?
自分の姿を想像したら金銭的な選択肢以外の選択が広がるかもしれないですね。
まぁ、やりがいの搾取や理念・想いで縛り付ける宗教的な経営で、
給与も福利厚生も改善されないような職場では人生100年時代を乗り切り続けるということは
難しいかもしれませんが…汗
自分なりの人生プラン、価値基準を労使それぞれ持ちたいものですね。