地方創生と働き方改革

【新卒採用の実務】未来の優秀人材の人間性を見極める!面接選考を行う際に考えたいポイント~その1~

2021-12-07

採用担当者の多くは、「新卒採用の面接はどのように進めるべきなのか」について、一度は悩んだことがあるのではないでしょうか?
企業としては十分な選考過程を踏まえて採用したいという思いがある一方、度重なる回数の面接による学生の負担増加や志望度低下は避けたいものです。

今回は新卒採用における選考の傾向と、貴重な機会として活用する3つの面接方法について、メリット・デメリットを比較しながら解説します。

まず、新卒採用の面接回数は志望学生から成る母集団の数や、学生に求める能力に合わせて各社が適宜判断するものです。
大企業であれば、実務担当者による一次面接、役職者による二次面接、社長・役員面接など段階的に多くの人の目によって見極める方法が可能となりますが、中小企業であれば、早い段階で社長面接を行う場合も多いです。

では実際に、各社の新卒採用ではどのように面接の場を最大限に活用し、自社にあった人材を見極めるのがよいでしょうか。
履歴書やエントリーシートからだけでは読み取れない人柄や発想力を見るために、選考段階に応じて次の 3 つの方法から選んで準備しましょう。

1 つ目の方法は…
面接官の人数に関わらず学生 1 人に対して行う「個人面接」です。

個人面接は、その名の通り「個人の特性」を深く掘り下げて捉えるために有効になります。
ほぼ全ての企業が、いずれかの選考段階で行っている面接方法です。
メリットは、学生 1 人にしぼって質問ができるため、スキルや関心ごとなど、会話のなかで学生の反応を見ながらより突っ込んだ質問をしたり、質問の方向性を変えたりできることです。
また、面接の日時等の調整が比較的自由に決定できることも利点と言えます。
一方、デメリットは学生の発言が慎重になる点です。
学生はたった 1 人で面接に挑むので、自分だけに視線が注がれていると意識し緊張感が高まります。
そのぶん本音が出にくくなる可能性もあり、個人面接では学生がリラックスして話せる雰囲気作りが重要となります。

2 つ目の方法…
「集団面接」は、複数人の学生を相手に同時面接を行います。

1 回あたりの妥当な人数は 2~4 人でひとつの質問に対し、全員から回答を得られるため、短い時間でより多くの学生の話を聞くことができます。
また、グループ内での回答や人の話を聞く態度の比較が可能となり、評価に公平性が出てくるというメリットもあります。
デメリットは、学生 1 人あたりの回答時間が短いこと、また気になる個人がいたとしても、その人だけに特定の質問をしにくいことです。
集団面接で個人を深く知るのは難しく、さらには回答する順番がずっと同じだと、学生は不公平に感じてしまうため質問ごとに回答する順番を変えるなどの考慮が必要です。
選考の初期段階において、次のステップに進めるべきかどうかの判断に使われます。

3 つ目の方法は…
「グループディスカッション」です。

この方法は、ある議題について複数人の学生で議論を交わしてもらうものです。
企業側は学生の会話の仕方や討論の進め方の観察を通して、個々人の積極性やコミュニケーション能力、リーダーシップ、表現力、論理的思考力などを見ることができます。
個性がよくあらわれるため、比較がしやすいというメリットがあります。
ただし、議題の選定が採用担当者に委ねられる点、さらには議題や参加者によってうまくいかないと会話がかみ合わなかったり、議題からそれてしまったりして、見極めがしづらくなる難点はデメリットです。

新卒採用の選考はどのように行うべきか、面接を何回行うべきか、明確な正解があるわけではありませんが、自社に合った人材に出会うためにも充実した内容を用意しておきたいものです。
面接は、企業にとっての見極めの機会であると同時に、学生にとっても入社意欲を左右される場です。そこで、次回は各社のの採用担当者の方が活かせる心構えや具体的な質問項目について「面接選考を行う際に考えたいポイント~その2~」と題してお届けしていきます。

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