皆さんは2018年3月に経済産業省が発表した『〈⼈⽣100年時代の社会⼈基礎⼒〉と〈リカレント教育〉について』において日本の未来を担う労働人口に対する教育の必要性が説かれたのはご存じでしょうか?
“2007年に生まれた日本人が107歳まで生きる確率が50%”!?
すごい時代ですね。
国が理想とする、誰もが活躍する社会を実現するために今取り組むべき教育の在り方はどんなものでしょうか?
ポイント
<Contents>今回お伝えする内容
1.未来のキャリアに向けてさらに教育の重要性が説かれている
2.これまでと、これからの働き方
3.生き残るために会社が社員に提供すべき環境とは?
1.未来のキャリアに向けてさらに教育の重要性が説かれている
今回は、未来を見据えて会社の行うべきキャリア教育の方向性・重要性をお話させていただこうかとおもいます。
ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン博士の著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 』では
働くために学びを続け、生涯に3度のキャリアチェンジを行う時代が訪れると書かれています。
時代が急速に変化を続けること、、、
そのため変化する時代に合ったプロフェッショナルであり続けることが求められているのですね。
具体的にキャリアプランはどう変わるのか。
これまでとこれからの働き方モデルの例をあげてお話させていただきます。
2.これまでと、これからの働き方
これまでの働き方とはどのようなものだったでしょうか?例を挙げて見ていきたいとおもいます。
<これまでの働き方>
例:住宅業の場合
・一流の設計士を目指して、大手ハウスメーカーへ入社。
・着実に設計の技術を高めるが、30代半ばには結婚を機に家庭を優先することを決め、
転勤のない地域の工務店へ転職。
・より自由な設計が出来るようになったことから、仕事の幅を広げ設計スキルを高めつつ
他の工務店への転職なども経て、65歳定年にて幕を閉じる。
<これからの働き方>
・20代ではフリーランスが主流だったため、いち早くネットビジネスのスキルを取り入れ一人で活動。
・しかしより手に職をつけるためにはネット+αの技術が必要だと感じ、思い切って住宅業界へ会社員として転職。
・営業設計としての技術を一から磨く。10年以上業界内でキャリアを積みスキルを高め続けたが、
・あるとき一社員としてではなく会社の経営に携わる仕事をしたいと考え、40代後半からは大学院へ進学。経営を本格的に学んだ後、50代では住宅企業に特化した専門コンサルタントとなる。
・60代からは身体の衰えを感じる頃になったため、その頃新たに流行り始めた最新のインターネット技術を取り入れ、コンサルタントだけでなく在宅で出来る、最新のVR技術を絡めた住宅系ビジネスへと広げていく。
こんな未来が本当に来るの??
こんな働き方に変わっていくとはありえないと笑うかもしれませんが…考えてみてください。
一体誰が、ドラえもんを初めて見たとき、糸なし糸電話(携帯電話)やいたわりロボット(音声認識ロボット)が登場すると予想したでしょう?
3.生き残るために会社が社員に提供すべき環境とは?
かつてダーウィンが残した言葉に
『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である。』
という言葉があります。
AIやIoTの登場などにより、これからの10年はこれまで以上に早いスピードで変わるため、
変化に対応出来ない(=学習を続け知識のアップデートを出来ず、旧態依然を好む)ものは、容赦なく取り残されていくことになるでしょう。
そのため、今ある知識の強化や全く新しいキャリアへの挑戦に絶えず取り組み、時代に合わせて学びのベクトルや深みを変えられるような、柔軟性のある人材が大切になってきます。
終身雇用の崩壊により社員が定年まで会社にいることが珍しくなった現在「教育制度を導入して育成を図っても、社員は別の環境へと移ってしまうかもしれない」という不安がある企業様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、社会全体が教育体制を重要視する今、会社にはあらゆる学びの機会を提供出来る寛容さが求められています。
これから長い人生を歩んでいく為に本質的な意味で支えるには、学びを尊重する会社・社会としての寛容さと、人生100年時代において学びの大切さを知る機会、学ぶ環境の用意が必要といえるでしょう。
皆さんの会社・地域社会にはキャリアアップをする機会を用意できていますか?