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『笑点』に学ぶ組織改革と継続性

2020-09-16

1966年の放送開始から50年以上も続く、人気バラエティ番組『笑点』

長年司会を務めてきた桂歌丸師匠からバトンを引き継ぎ2016年5月29日に春風亭昇太師匠が6代目司会者に就任してから、早4年が経過しました。

当時は、番組で人気の三遊亭円楽師匠の内部昇格か?司会者としてキャリアの長い大物芸能人か?など…時期司会者の予想大会が多な割れていましたが、あらゆるメディアや視聴者の予想を裏切り、大抜擢されたのは春風亭昇太師匠でした。

ちなみに昇太師匠で6代目ですが、歴代には…

◆初 代:立川 談志 師匠 (1966年05月15日~1969年11月09日)
◆2代目:前田 武彦 師匠 (1969年11月09日~1970年12月20日)
◆3代目:三波 伸介 師匠 (1970年12月20日~1983年01月09日)
◆4代目:三遊亭 円楽 師匠(1983年01月09日~2006年05月14日)
◆5代目:桂 歌丸 師匠  (2006年05月21日~2016年05月22日)
◆6代目:春風亭 昇太 師匠(2016年05月29日~)

昇太師匠が抜擢された理由には諸説ありますが…
理由として大きいのは「若返り」と「チームワーク」だそうです。

1.「100年続く番組へ」担当プロデューサーの想い

現在のレギュラーの平均年齢は66.6歳(2016年当時)です。
昇太師匠は56歳(就任当時)とメンバー内では若いため、今後長く司会ができると考えられます。
またメンバーの交代時期に、高齢の現メンバーと若い新メンバーとの息をうまく合わせるという役割も期待されていました。

2.面白さの原点。大喜利=チームワーク

笑点が人気の理由は、個性的なキャラクター同士の掛け合い。
つまり、司会者と回答者たちのチームワークから生まれる笑いとも言えるため、外部の司会者の抜擢は考えていなかったそうです。

こうして見てみると、企業・組織の人事そのものですね。
笑点のように、高齢化やチームワークで悩んでいるという企業・組織も世の中多いのではないでしょうか?

この2つの問題を解決する手段の一つが、「採用」or「内部登用」です。
採用を行う事により、組織の平均年齢が下がる事はもちろんですが、チームワークも生まれます。
採用でも、新卒者を受け入れるためには、教育制度などの受け入れ態勢を整える必要があります。特に継続的に採用活動を行うことで、年齢の近い若手スタッフが新人に教える仕組みが出来上がり、年を追うごとに組織のチームワーク力が高まります。

ある企業の社長さん(就任5年目、3代目社長)も就任当初、社員の平均年齢が55歳であることに危機感を感じて採用活動をスタートされました。
5年間の新卒採用を継続した結果、現在では平均年齢は34歳にまで下がりました。もちろん始めは反発をして去っていくスタッフや、自分の子供と同年代の後輩に戸惑うスタッフもいました。
さらには教育体制も整っていなかったため、せっかく入社してくれたスタッフも多く去ってしまいました。

しかし、この機会に息の長い組織にしたいと、採用活動を継続しながら研修の見直しやマニュアルの整備などを行い、今では年間100回以上の勉強会を開催するまでになり、離職率もグッと低下しました。

この会社の社長さんに、今回の組織改善の成功理由をお聞きすると、「若返りを期待して始めた採用が、会社を長く継続していくための改革全ての原点となった」と仰っていました。

脱線しましたが…

「笑点」のように、長く愛され続ける番組も、その裏には愛され続けられるための努力が隠されています。
自分がもし、プロデューサーの立場で「笑点」を創り上げようとしたらどんなメンバー選定、育成、入れ替えを行うか?
自分がもし、司会者や回答者の立場で参画していたら、次世代にどのようにバトンを引き継ぐのか?

皆さんが置かれている立場に置き換えると、「Going Concern」の原則を守り続ける企業・組織運営のヒントが見えてくるかもしれませんね。

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