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本質的な企業成長に欠かせない「理念」、浸透させる上で大切にしたい“解釈”と研修方法について

2020-08-25

先日、ある企業の社員さんとお話をする中で、
「理念共有研修って社員育成に絶対必要ですね!」
という話を頂く機会がありました。
※ちなみに、この企業さんは私が理念の策定から携わらせているので、素直にうれしい言葉でした。

その方とは新卒の頃から研修講師と参加者という関係でもあり、今では企業内での核となる人材として活躍していらっしゃる方だったので、嬉しさも一層のものがありました。

また、普段から「セミナーや研修でも企業理念・人事理念が重要ですよ!」
と話していましたが、改めて言って頂けるとさらに嬉しいものです。

特に今回のケースでは経営層の方ではなく、一般の社員の方が理念の重要性を感じて頂けたので、
感慨深いものでした。

ちなみに、経営理念はもちろん大切ですが、人生100年時代を生きるため
個人理念やビジョンも今後はより一層重要度が増してくると考えています。

さて、今回はそんな「理念」にフォーカスを当てたお話をしていきます。

経営理念は重要と知っている経営者は多いけれど…浸透しにくい理由とは?

ちなみに、冒頭の会社さんは、数年前に経営理念の抜本的な見直しを行っていました。

それに合わせて、理念やそれに付随する様々な考え方が記載されたオリジナルの手帳も作成し、
全社員に配り、理念唱和も朝礼や会議の場で行うなどの工夫もしてきました。

しかし、そんな試みをはじめて数年がたった今でも、
社員の多くは会社の考え方、価値観、方向性を理解できないでいるというのが現状でした…

同じようなことが起こっている企業も多いのではないでしょうか?

経営理念をしっかりと創り、文字にもして、更に唱和までしているのに…
なぜこのような事が起こってしまったのか?

ポイントは「理念を全員が同じ解釈で説明できるか?」

よくよく社員の方々へ話を聞いてみると、
文字にはなっており、文字ベースとしては誰もが理解できている理念も、
その解釈については全員がバラバラであるということが分かりました。

たとえば、「お客様第一」「相手思い」「良いチームワーク」等はよく使われる表現ですが、
どのような行動・振る舞いが「お客様第一」であり、「お客様思い」であり、
「良いチームワーク」なのかは、微妙に差異があるものです。

経営理念は文字として掲げるだけでは意味がありません。
全員が考えを理解して大切にできるよう、解釈を統一するのが大切です。

特に一般の社員の方が混乱し、理解できていない大きな理由としては、
役員や役職者の間でその解釈、言っている内容がバラバラだという点です。

例えば…
「私達は仲間が公私共に充実した生活を送れるよう支え合う」という経営理念に対して、

■A部長は
「監督署もうるさいし、社員さんは定時で帰れるようにね。下請けさんに任せられるところは任せてね」と言い。
■B部長は
「下請けさんに任せちゃったら下請けさんは業務過多で厳しいんじゃないかな?仲間の範囲ってどこまでで考えたら良いのかな?」と言っているような状態です。

採用での視点で考えると、「グローバル経営に向けて現地登用の幹部社員を育成する」という人事理念に対して…

■C部長は
「今年の留学生採用はどうなっている?留学生をどんどん採用しないと現地に送り込めないだろう!」と言い。
■D部長は
「これって現地の責任者が採用活動を各々するってことで良いんだよね?」という具合ですね。

同じ文字を読んでも、これだけのズレが出ていました。

この企業で理念浸透の見直しを行なった際には、
上記のように、本来は理念や想いを部下に浸透させなくてはならない立場の方たちでさえ
このズレっぷりだったわけです(汗)

そこで、このズレを修正し、もう一度全員で一致団結し同じベクトルで会社の舵を切れるように行った研修が「理念共有研修」です。

理念共有研修で想いのズレを修正しよう!

「理念共有研修」は名称こそ研修と付いていますが、
研修というほど、堅苦しいものではありません。

<簡単に内容を説明すると>

・企業はどのようにして生まれたのか?
・創業時はどんな苦労があり現在の文化が生まれたのか?
・どのような過程を経て今の会社が成り立っているのか?
・今後、どのような会社にしていきたいのか?
・社員にはどんな成長をしてもらいたいのか?

といったことを全社員(協力業者さんを含める場合もあります)にお伝えし
会社の再出発を図るイベントのようなものです。

社内には古参社員から中途社員、新卒社員と様々な経歴の社員さんがいらっしゃいますが、
会社(代表者)の考え方に対する理解はそれぞれです。

しかし、それは誰が悪い訳でもなく至って自然なことです。
全員が同じ情報をもっている訳ではないのですから。

ただし、今後、会社運営を全社員同じベクトルで進め、
成長を加速させていくためには理念共有は必須項目になってきます。

既に何名かの社員には共有されている企業も、「恥ずかしいし別に良いよ」くらいで
今まで起業の想いや創業時の苦労話などをされてこなかった企業も、ぜひ検討してみてください。

「理念共有研修」というものを良い機会に、
会社を、社員を次のステージに進める為の再出発を図る機会として行ってみてはいかがでしょうか?

是非、経営TOP自ら積極的に企画される事をお勧めいたします!

また、現代においては多様化の時代、多様性を認め合う時代。
となっていますので、企業文化や企業理念を理解しあうだけでなく…

もう一歩踏み込んで、「個人理念」「個人ビジョン」を創り上げ、理解を深める。
という場を設けることも、より強い組織、チーム、人材づくりのポイントになります。

■大谷翔平選手が使っていたことでも話題になった「マンダラチャート」
■土屋ホーム創業者の土屋公三さんが開発した「3KMシート」
■絵や写真をベース目標の見える化を実現する「ビジュアライズ」
etc…

など個人目標や理念を、ビジョンを具現化するツールや仕組みが世の中には
数多く存在しますので、まずは個人からでもチャレンジしてみてください!

  • B!